クライミングスキン(シール)のメンテナンス

クライミングスキン(シール)のメンテナンス方法とグルー張り変えの薦め|バックカントリーを快適に

バックカントリースキーに欠かせない装備のひとつが「クライミングスキン(シール)」です。雪山を安全に登るために重要な役割を担うこのギアは、日々のメンテナンスと正しい保管、そしてタイミングを見たグルー(接着剤)の張り替えによって、その性能を長く保つことができます。

今回は、クライミングスキンの基本的なメンテナンス方法保管方法、そしてグルー張り替えの必要性とそのタイミングについて詳しく解説します。

クライミングスキンとは?

クライミングスキンはスキーやスプリットボードの滑走面に貼り付けて使用するアイテムで、斜面を登る際に後ろ滑りを防ぐ摩擦力を与える役割を持っています。主にモヘアやナイロンなどの繊維で構成されており、その裏側にはスキーやスプリットボードに貼り付けるためのグルー(粘着剤)が施されています。

日常的なメンテナンス方法

1. 使用後は乾燥を徹底

スキンを使用したあとは、しっかり乾燥させることが基本です。濡れたまま放置すると、繊維が傷みやすくなり、グルーの劣化も早まります。滑走後は室内で広げて、直射日光を避けつつ風通しの良い場所で完全に乾かしましょう。

2. 汚れや水分の除去

スキンに雪や水、ゴミが付着した状態で使用を続けると、グルーの粘着性が著しく低下します。滑走前や使用後には、スキン表面や裏面の汚れをチェックして除去するようにしましょう。

3. 粘着面のコンディション確認

グルー面がベタついたり、糸を引いたりする場合は劣化のサインです。また、乾燥しすぎて接着力が弱くなる場合もあります。定期的にグルーの状態をチェックしましょう。

正しい保管方法

劣化が進みべたつきがひどくなるとクライミングスキンを貼ったものをはがしたときに滑走面にグルーが残ってしまったり、着脱の際に手についてしまったりするようになります。
グルータイプのものは特にこの現象が起きやすく、数年でこのようになってしまう場合があります。
オフシーズンや使用しない期間の保管方法も、スキンの寿命を左右する重要なポイントです。

1. 専用の保護シートを使用する

スキンには専用の保護シートを挟んで保管するのが基本です。グルー同士が直接貼り付くのを防ぎ、グルー面の劣化を軽減します。新聞紙やラップなどの代用品は避けましょう。

2. 高温多湿を避ける

スキンは高温や湿度の高い場所では劣化が早まります。特に夏場の車内保管などは絶対に避け、風通しの良い暗所で保管してください。

3. スキン保管サービス

劣化自体は避けることができませんが、グルーが空気に触れないようにしてあげたり、温度と湿度が低くいところで保管すれば劣化のスピードを抑えることができます。
番亭では保管に適した環境でスキンの保管サービスも行っております。

グルーの張り替えは「予防整備」

スキンのグルーは消耗品です。長年使っていると、どうしても粘着力が落ち、スキー板に貼りつかなくなることがあります。そうなる前に、「予防的な張り替え」をすることが、快適で安全な山行につながります。

張り替えを検討すべきサイン

  • 貼ってもすぐに剥がれる

  • ベタベタしてゴミが付きやすい

  • グルーが乾燥してカサついている

  • 雪や水分が侵入してめくれる

  • 使用から2〜3年以上経過している

これらのサインが見られたら、グルーの張り替え(リグルー)かスキンの買い替えを強くおすすめします。

グルー張り替えのメリット

  • 安定した粘着力が復活

  • 不快なベタつきが解消

  • ゴミの付着が減り扱いやすくなる

  • スキン本体の寿命も延びる

  • スキンの買い替えより経済的

自分で張り替える方法もありますが、手間がかかるため、プロショップや専門店に依頼するのが確実です。

番亭でもグルーの張り替えサービスを行っております。

まとめ|スキンは「使う前」「使ったあと」が大事

クライミングスキンは、正しい使い方と丁寧なメンテナンスによってその性能を発揮します。滑り終わったあとの乾燥や保管、グルーの状態チェックを習慣づけることで、突然のトラブルを防ぎ、快適で安全な山行を楽しめるようになります。

グルーの張り替えも、性能回復だけでなくスキンを長持ちさせる大事なケアです。ぜひこの冬の終わりやシーズン前のタイミングで、あなたのスキンをチェックしてみてください。

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